最低賃金が上昇する中で、企業が給与支給の場面で誤った解釈をするケースが後を絶ちません。
特に、職場の管理監督担当者を労働基準法上の「管理監督者」と混同し、超過勤務手当を支払わないケースなどは明らかな法律違反です。
一方で、労働基準法そのものが適用されない労働者も存在します。
例えば、「船員」や同居する「家族」、「家事使用人」などは労働基準法の適用除外者とされています。
同居する家族のみで経営している企業では、労働基準法が適用されない職場となります。
「家事使用人」は事業主の家族で家事に従事している場合に限られます。
家事代行サービスなどの従事者は労働者として扱われ、労働基準法が適用される、と思った方が安全です。
また、労働者でありながらも労働時間や休日、休憩の制約を受けない職業もあります。
例えば、農業・水産業に従事する方、管理監督者、機密事務取扱者、監視業務に従事する方などです。
例えば農業や水産業においては、天候や季節的条件が労働時間を左右するため、労働時間や休日、休憩の規定が適用されないとされています。
注意すべきは、労働基準法の適用から完全に除外される対象者と、一部の規定のみが除外される対象者がいる点です。
同居する家族を雇う場合は労働基準法の適用外ですが、農家が労働者を雇用する場合、労働時間や休憩、休日の規定は適用されないものの、それ以外の労働基準法の規定は適用されます。
さらに、労働基準法から適用を外れても、「船員法」や「国家公務員法」「地方公務員法」など、他の法律によって労働条件が規定される場合もあります。
大抵の労働者は労働基準法の適用を受け、原則として労働時間、休憩、休日が確保されるべきです。
超過勤務や休日出勤がある場合は、法に則った割増賃金が支払われる必要があります。
法律には例外規定がありますが、それらの解釈と運用は法律に基づいて行われるべきです。
現場の都合による恣意的な解釈で運営されることは法律違反となります。
少しでも疑問を感じた場合は、労働基準監督署に相談することをおすすめします。
例外的な立場の労働者について正しい知識を持つことは、企業にとっても労働者にとっても重要です。
法律を正しく理解し、適切に運用することで、双方にとって健全な職場環境が実現します。