インボイス制度がスタートして10ヶ月が経ちました。

みなさんは適格請求書の作成・発行、そして受領について、しっかりと理解し、実践できていますでしょうか。

最近、ある調査で、適格請求書の記載ミスが非常に多いことが明らかになりました。
特に多いミスは、

  • 適用税率の記載がない
  • 税率ごとの消費税額の記載がない
  • 税率ごとの合計対価の額の記載がない
  • 消費税額の計算ミス
  • 取引年月日の記載がない

などです。
約40%の企業が、適用税率の記載がない請求書を受け取っているという結果も出ています。

これらのミスは、単なる入力ミスだけでなく、インボイス制度に対する理解不足が原因であるケースも少なくありません。

なぜミスが多いのか?

  • 手作業での作成: 手書きやExcelなど、手作業で請求書を作成している場合、入力ミスや見落としが起こりやすいです。
  • 様式の複雑さ: 適格請求書の様式は、従来の請求書に比べて複雑であり、すべての項目を漏れなく正確に記載するのは容易ではありません。
  • 時間的な余裕がない: 請求書の作成・発行業務は、他の業務と並行して行われることが多く、時間的な余裕がない中で作業を行うことでミスにつながる可能性があります。

ミスを防ぐために

  • システムの活用: 市販の販売管理システムなど、適格請求書に対応したシステムを導入することで、入力ミスを防止し、効率化を図ることができます。
  • チェック体制の強化: 請求書を作成する際、必ず複数人でチェックを行うなど、チェック体制を強化しましょう。
  • 従業員への周知徹底: インボイス制度に関する知識を、従業員全員に周知徹底することが重要です。
  • 定期的な確認: 定期的に請求書の内容を確認し、ミスがないかチェックしましょう。

ミスに気づいたらどうする?

もし、受け取った請求書に不備が見つかった場合は、速やかに相手方に連絡し、修正を求めましょう。
「修正後再発行」が原則です。 これまでの「とりあえず直しておきます!」といった対応は通用しません。
放置すると、税務調査で指摘され、仕入経費や仮払消費税額が否認される可能性があります。

まとめ

インボイス制度は、企業の経理処理に大きな影響を与える制度です。
適格請求書の作成・発行、そして受領には、細心の注意を払う必要があります。
今回の調査結果を参考に、自社の請求書作成・発行の仕組みを見直し、ミスを防止しましょう。