近年、日本のビジネス界では「ハラスメント」という言葉が定着し、その種類も多様化しています。
ちょっとした行動や言葉が「〇〇ハラスメント」と名付けられる時代になりました。
とはいえ「ハラスメント」は軽く扱えない問題であり、時に生命に関わる重大な事件や事故を引き起こすこともあります。
その中でも、最近注目されているのが「サイレントモラハラ」という現象です。
「サイレントモラハラ」などど、おしゃれな言い回しをしても、その実態は日本社会の中で伝統的に蔓延してきた「社内いじめ」に他なりません。
職場で静かに行われるため、上司や幹部には気づかれにくいという特徴があり、まるで学校でのいじめのようです。
「サイレントモラハラ」は、噂の段階から徹底的に調査し、根絶されるべき問題です。
しかし、調査を進めると「いじめられる側にも原因がある」という証言が出ることも少なくありません。
けれども、そのいじめられる原因やいじめられる側の問題を「いじめ」で解決しようとするのは、大人として恥ずべき行為です。
最良の解決策は、問題が発生した現場のメンバーを人事異動や担当替えなどで再編成することです。
特に「いじめられる側」とされるメンバーの異動や配置換えは最後の手段とすべきです。
ちなみに一番の下策は「指導」「教育」「説教」で済ませることです。
これでは根本的な解決にはなりません。
会社のトップが「会社は人材で決まる」と本気で考えているなら、「社内いじめ」などという子供じみた行為は決して見過ごしてはいけません。
若手の社員はこうした問題を敏感に感じ取り、いじめが行われている職場には魅力や将来性を見出せなくなるでしょう。
職場におけるいじめは、大人の社会では決して許されるものではありません。