2023年1月に某ゲームソフト会社の子会社で不正が発覚しました。
備品管理責任者が会社で購入したパソコンを個人の立場で売り飛ばし、7年間で6億円着服した、というものです。
このような不正事件は、上場企業や公共団体で発覚するとマスコミ等によって公表されることが多いですが、残念ながら小規模企業でもよく起こっています。
金銭、商品、備品の紛失から不正が発覚することが多いです。
むしろ一人事業の小規模事業では不正は起きにくく、起きるのは内容が不正、というよりは脱税だったり犯罪だったりします。
今回の不正の発覚は「担当者が交代した」ことによって、後任者が「引き継がれた内容がおかしい」と気づいたことから、のようです。
本来は「担当者に、不正をする気持ちにさせない」しくみが必要です。
金銭、商品、備品の紛失・横流しなどの不正は「起案・実行・監査」が管理担当者ひとりに集中していることに原因があります。
「ウチは専任で任せていますから」と社長さんが胸張っている会社が危ないのです。
トップが月に1回、担当者から台帳を提出させ、1時間位現場で現物と照合する作業を行ない、その姿を担当者やメンバーに見せることでこうした不正は未然に防ぐことができます。
複数メンバーが勤務する会社ならば、別のメンバーに台帳を渡し「ここの範囲のものがあるかどうか見てきてくれ」と命令すればOKです。
大げさなしくみは必要ありません。
働く社員を守るために、トップの率先で月1回のチェックをやり続けることが大事です。