2023年4月から「デジタル給与での支給」が認められるようになりました。

「は?デジタル給与って何ですか?」と思われる方も多いことと思います。
「デジタル給与」とは、キャッシュレス決済時代を迎えようとする現在に、厚生労働省がすすめる給与支払いの方法のひとつです。

日本では「給与」は原則として「お金でもらう」となっています。
それに加えて「給与の一部ならキャッシュレス決済に対応した、デジタル給与でもいいですよ。条件はあるけど」となったわけです。

まだ社会インフラが整っていないので、実際に給与の一部が「デジタル給与」にできるのは、早くても2023年末くらい、らしいです。
その頃に会社から「デジタル給与、始めました」と案内があるかも、といったところでしょうか。
もちろん、今まで通りの支給のされ方でも問題はありません。

支給方法は、給与の一部を今までは「自分でチャージをしていた」ものが、「会社が代わって直接チャージしてくれる」という方法です。
決して会社で貯めた「ポイント」で給与を支払うわけではありません。

支払い方法が「チャージ」なので、チャージされた金額を「現金化」することはできなくなる、と思います。
時代が進めば変わるかもしれませんが、現金に戻せない、と理解しておきましょう。

戦後に「給与支払五原則」というものがルール化されました。
その中に「給与は現金で、本人に、手渡しで支払う」ことを基本としていました。
やがて1970年代に「銀行振込支給」が解禁され、1990年代に「現物支給」が制度上認められるようになりました。

厳密に言えば「デジタル給与は、お金じゃなくても給料なんだ」ということです。

「会社で仕事をして給与をいただく」ということが、よく言えば「選択肢が増えていく」、悪く言えば「複雑化かつ働くことの思いが希薄化していく」動きを感じます。

新しいルールは一長一短あるものです。